福井県の坂井市に新しく移り住む夫婦と子供2人の為の平屋の木造住宅。少し小高い敷地で日本海からは少し離れているが、潮の香りはする。坂を登りきると、畑があり、その隣に位置する。西側に道路があり、周りには建物が少ない。施主からは、まだ幼い子供が道路に出ないよう十分遊べる場所と、シンプルなそぎ落とされた建物が求められた。初期プランは、2階から海が望める2階建プランと中庭のある平屋プランを提案。海の見える旅館とレストランで働く施主であったこともあり、平屋で中庭のある、子供と家族のためのプランを選ばれた。その事で、施主の大事とするものが何か感じ取れた気がする。工場のようなオープンでどこへいても気配を感じることができるよう、各部屋は緩く仕切られ回遊でき、中庭に面してリビングダイニングキッチンと寝室を配置。2段上がったセミオープンの部屋は作り付けのデスクを設置し、将来2つの子供室に仕切ることもできる。平屋の為、少しの高低差の変化をつけることで、自然と境界が生まれ使い方に変化が出ることにより、落ち着いた空間となる。そこに溜まりができ、それぞれに居場所が生まれる。リビングから全体に、緩く仕切られた空間が、家族の気持ちのつながりになって欲しい。
2018.6
place:福井県坂井市
scale:160.65㎡
structure:木造地上1階建て
photographer : KAZUTAKA FUJIMOTO