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M HOUSE / HOUSE

伊豆高原の桜並木と大室山が望める斜面にこの建物はある。敷地には既存の建築と印象的な大木があり、1本は北東角、桜並木から入口にメタセコイヤが立ち、南西角には高い位置に5mのウラジロがある。この2本の木が土地を見守るように位置していた。2本の木のバランスを生かしながら流れに沿うように建物の配置は自然と決まった。クライアントと対話を繰り返し、プランの方向性をお互いに確認し合うようにつくり上げていった。最終的に決定した案は、すべてをそぎ落としグリット化された中で、土地と有機的に絡みつつ豊かな生活をもたらす建物となった。建物は平屋建てとし、傾斜面に対し直線的な厚いコンクリート壁と透明なガラスで構成された。内部は、それぞれの室がつながり一体の空間となっている。三方を道路に接しているこの敷地は、西から東に向かって2.5mの高低差がある。厚い高い壁に囲われたアプローチからは、上部の空しか見えない。視界を遮るようにしてエントランスを潜った後、下から浮き上がる白い壁が迎える。左手にはリビングダイニングがあり、司会の延長線上の中庭から自然が内へと入り込んでくる。内庭には、プールと芝生が広がり、地中から生え出たコンクリートの壁と小高い丘が視線を遮り内庭としての空間の広がりを保っている。西側は隣地からの視線と光を遮るため、高窓とし、壁面一体を収納家具とすることにより、テレビ・FAX・冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機などすべてのものを収納した。それぞれ個々の使い勝手により開閉方式を変えている。和室と寝室はプライベートな場として、和室は内から外への繋がりを重視し、寝室はFLから1.2mあげることにより、海の見える唯一の空間とした。洗面・浴室は一体とし、床に埋め込まれた浴槽からは低い位置から坪庭が見え、高い位置からは春には桜が見える。エントランスと擁壁のみをコンクリート打放しとし、建物自体の重量感を無くす為に、鉄骨造の柱を十字柱としグリッドに合わせ、屋根を逆梁とし軒先を薄くした。クライアントの希望である、石目地に合わせて全てを600mmグリッドに合わせることと、水のゆらめきと、犬と暮らす空間としての建物となった。

2016.10
place:静岡県伊東市
scale:217.15㎡
structure:鉄骨造地上1階建て
株式会社水谷壮市デザイン事務所担当物件